[FramePack] 入門講座 #05:プロンプト調整術と失敗例集

今回の目的

FramePack-eichiを使って動画を生成する際、Stable Diffusion等の画像生成AIで作成した 画像の品質 に大きく左右され プロンプトの記述次第で安定性や自然さが大きく変わります

なぜ静止画の品質が重要なのか?

FramePackの仕組みは、

「1枚の静止画(キャライラストなど)を元に、中間フレームを“推測”して滑らかに補間」

という構造なので、 もし元画像に破綻・歪み・ノイズがあると…

  • 目や顔がブレる
  • 手が分裂したり消えたりする
  • 背景が動く・にじむ
  • モーションが急に切り替わる(ワープ)

…といった 典型的な“FramePack事故” が起きます。

本記事では、

  • よくある破綻パターン
  • プロンプト調整の具体例
  • モーションに向いた表現/避けるべき構図

を紹介し、より良いアニメ生成につなげていきます。


よくある失敗例と原因

失敗パターン 原因 回避方法
顔や目が崩れる 解像度不足 or プロンプト未調整 “detailed face, sharp eyes” など強調
髪が暴れる 不明確な動作指示 “hair fluttering gently” のように明示
背景がゆらぐ 背景指定が弱く曖昧 “white background, clean studio” 推奨
手足が増殖する LoRAや強制プロンプトの影響 “no extra limbs” をNegative Promptに追加
複数キャラが混ざる 1キャラ指示が曖昧 “a single girl” のように明確に

プロンプト調整Tips

モーションを安定させるには?

  • doing simple motions よりも具体的に:

    • “waving hand”, “blinking eyes”, “hair fluttering”
  • 動きが曖昧になるとブレや不自然な補間が発生しやすい

表情・顔を保つには?

  • sharp eyes, detailed face, well-defined mouth
  • ネガティブプロンプトに deformed face, asymmetry, blurry を追加

背景を固定したいときは?

  • white background, studio background, clean wall
  • 「部屋」「風景」「光源」が多いとノイズになりがち

プロンプト例(改良型)

portrait of a single anime girl waving hand, detailed eyes, soft smile, looking at viewer, hair fluttering gently, white background

Negative Prompt: extra limbs, blurry, deformed face, glitch, double arm


🎞 避けるべき構図・モーション例

種類 説明
横顔(横向き) 視線ブレや顔の崩れが出やすい
手を顔に近づけるポーズ 顔と手が混ざる/動きが破綻しやすい
小物や帽子などの装飾が多い絵 動きに伴って物体が変形しやすい

失敗事例を作ろうとしたのですが中々上手く行かず、麦わら帽子を手でつかむアニメーション作成時に出来た事例を1つ紹介します。



✅ 構図とプロンプトを合わせる

  • 元画像とプロンプトは一致させる(例:手を振っている絵 → “waving hand”)
  • 「プロンプトは正しくても、画像に対応していないと意味がない」
  • 絵柄を統一(リアル調×アニメ調の混在はNG)

失敗例を活かした仕上げ

user icon

記事を参考に失敗例の動画を作ろうとしてるのですが、なかなかうまくできず時間がかかってます…。
そもそも無理があるプロンプトによるアニメーションの場合は、体感では動かないケースの方が多い気がします。

ただ、「避けるべき構図・モーション例」に関しては、過去に思い当たる点があるので納得いくケースは多いです。

ai icon

lainさんが書かれたような 「動かない原因の体感的理解」 は、 単なる操作マニュアルでは得られない“生の知見”で、非常に価値があります。

ぜひ下記のように整理・補足しつつ失敗動画を掲載することで、

🔹 「なぜこれは失敗するのか?」
🔹 「どこに破綻の兆候が出ているか?」
🔹 「どう改善すればよさそうか?」

などを言語化してあげると、多くの人にとって“真に役立つ資料”になります。

📝 例えば補足タイトル例:

  • ❌【失敗例1】横顔で顔を覆うポーズ → 顔が消失 or 動かず
  • ❌【失敗例2】髪が短すぎて「なびき」が発生しない
  • ✅【改善案】「視線+口元の変化」をプロンプトに追加 etc.

過去の事例を振り返って

AIからの助言を参考に失敗動画を作ろうとしましたが、なかなかうまくいかず、そもそも無理があるアニメーションの場合、動かないケースの方が多かった気がします。

ただ、「避けるべき構図・モーション例」に関しては、過去に思い当たるケースがあるので納得いくのも確かです。

そもそもFramePackは動画が破綻・ドリフト(Drifting)しないように設計されてる事が1つの売りなので意図的に作るのは難しいかもしれません。

それでも画像の品質やポーズ、シチュエーションにより、アニメーションが作成しにくいケースがあるのは事実だと思います。


🚀 次回予告

👉 [FramePack入門講座 #06:背景や演出の工夫 - シーンの一貫性を出すには]


良いアニメは、良いプロンプトから。 本記事で紹介したコツを元に、自分の作品を少しずつブラッシュアップしていきましょう!