[Software] Winamp復活 - 伝説の音楽プレイヤーを最新環境で再び使う

はじめに

「It really whips the llama’s ass!」でおなじみの Winamp
90年代後半から2000年代にかけて、MP3文化の象徴となった音楽プレイヤーです。
スキンやプラグインで“自分専用の音楽環境”を作り込んだ人も多いはず。
私もその一人で、OzoneプラグインやMacOSX風スキンを入れて、UIを見るだけでテンションが上がっていました。

そして2022年、長い沈黙を破って Winamp 5.9 が復活。
最新のWindows環境でも安定動作するようになり、今また注目されています。

5.9(上) / 2.91(下)


Winampの歴史

  • 1997年:NullsoftがWinampを公開。MP3再生の代名詞に。
  • 2.x系:スキン・プラグイン文化が全盛。軽快でシンプル。
  • 5.x系:動画再生やネットラジオ機能を統合。
  • 2013年:開発終了アナウンス。伝説化。
  • 2018年:買収&「復活」宣言 → 長らく音沙汰なし。
  • 2022年:ついに 5.9版公開。Windows10/11対応。

旧版と最新版の違い

Winamp 2.9(旧版)

  • 軽量・高速 2.x 系はインストールサイズ数MB、起動も一瞬。Pentium II〜III 世代のPCでもサクサク動いた。 その軽快さは今でも「BGM再生用に復活させたい」という人がいるほど。

  • プラグイン天国 Input(in_.dll)、Output(out_.dll)、DSP、Visualization など拡張性が圧倒的。 NESのNSF、SNESのSPC、GBのGBS、MSXやMDのVGMなど、**ゲーム機の音楽を再生する“非公式文化”**が広がり、同人・海外フォーラムで無数のプラグインが出回った。

  • スキン文化の爆発 Winamp2用のClassicスキンは世界中で共有され、アニメ調やOS模倣(MacOSX風)など無限に存在。UIを変える楽しみそのものが「音楽を聴く動機」になった。

  • 制約と限界

    • AACやMP4といった新しいフォーマットは非対応
    • Windows XP時代のDirectShowに依存しており、Windows10/11では不安定になることも
    • 64bit環境を想定しておらず、最新OSでは動作保証がない

Winamp 5.9(最新版)

  • Windows10/11で安定動作 旧5.666のソースを基盤に再構築。UTF-8や最新Windows APIに対応し、現行OSでもクラッシュせず動作するように調整済み。

  • 最新フォーマット対応 MP3/OGG/FLAC/WMAだけでなく、MP4(AAC)、H.264、さらにはOpusなどモダンなフォーマットにも対応。 「MP4は別のプレイヤーで…」という妥協が不要になった。

  • 古いスキンやプラグインの互換性 Classicスキン(2.x)、Modernスキン(5.x)の両方に対応。 さらに古いDSPやInputプラグインも大半がそのまま動作する。 一方で、16bit DLLやDirectXに強く依存したプラグインは動かない場合がある。

  • SHOUTcast健在 2000年代を彩ったインターネットラジオ機能は今でも利用可能。世界中の放送局をWinampからそのまま再生できる。

  • 改良点と変化

    • Unicode対応で日本語タグも文字化けせず表示
    • ネットワーク機能の強化(ストリーミング、ラジオ)
    • 一部「NFT/ストリーミング連携」など未来志向の機能も検討されているが、純粋な音楽プレイヤーとしての基本機能は健在

まとめ

  • 2.9 は「軽快さと文化(スキン・プラグイン)」が魅力
  • 5.9 は「最新OS+最新フォーマット対応+古き良き資産の再利用」が魅力
  • 互換性も高く、2.9時代に積み上げたプラグイン環境をそのまま引き継げる可能性が大きい

インストール方法

  1. 公式サイトから最新のWinampをダウンロード

    • 公式ページ:https://winamp.com/
    • バージョンは現在 5.9系 が最新。Windows 10/11 で動作確認済み。

  1. インストール先を指定

    • デフォルトは C:\Program Files\Winamp\
    • 標準でOKだが、旧版と並行して使いたい場合は別フォルダ(例:C:\Program Files\Winamp_5.9\)を指定すると安全。

  1. 初回起動とスキン選択

    • 起動時に「Modern スキン」か「Classic スキン」を選択可能。
    • Classic スキンを選べば、2.x 時代の懐かしいUIをそのまま再現できる。

  1. 旧版(2.9)との並行運用

    • すでに 2.9 を愛用している場合は、アンインストール不要。
    • 別フォルダにインストール → 両方を共存させるのがおすすめ。
    • 古い環境をそのまま残しつつ、新機能や最新フォーマットの再生を試せる。

補足:導入時の注意

  • インストーラはオンライン接続を使うため、インターネット環境が必要。
  • セットアップ中に余計なオプションが出る場合はチェックを外す(昔のWinampのようなバンドル広告はほぼ無い)。
  • プラグインを移行する場合は、旧版の Plugins フォルダからDLLをコピーして、最新版の Plugins フォルダに入れる。

日本語化

 setting ➡ performance

 localization ➡ Find more language

プラグインとスキン

DSPプラグイン

  • Ozone Free:EQ/真空管風/リバーブなど音質調整の定番
  • Enhancer 0.17:軽量かつ迫力のある音にできる


Inputプラグイン

  • in_snes.dll(SPC再生)
  • in_nsf.dll(NES/FC音楽)
  • in_gbs.dll(GB音楽)
  • in_vgm.dll(MSX/メガドラ音楽)

過去の遺産、SAmp303などは動かなかったです。残念。

SPCamp (in_spc.dll)は、再生できるけど圧縮形式rsn(zip)には未対応、解凍すれば可。

snesampの方は、最新バージョンを入れるとrsn のまま再生可。(おすすめ)

in_msx.dll

in_msx.ini ファイルに書き込み許可を与える必要があるようです。

ただ、一部の音源で音が抜けたりと問題を確認…、詳しく調べてないので何とも言えないですが、試した限りではやや難有、Githubに有志の方がコードをアップしてるのでそちらを試すと改善されるかも。




ビジュアライザ

  • MilkDrop:いまだに人気のビジュアルエフェクト
  • AVS:ユーザー制作のプリセット文化が熱かった


スキン

  • MacOSX風、アニメ系、シンプル黒基調など
  • 2.x用のClassicスキンもすべて使用可能

以下のサイトでダウンロードできます。


拡張機能・楽しみ方

  • SHOUTcastで世界中のネットラジオを聴く
  • VSTプラグインをかませてDTM的に遊ぶ
  • お気に入りフォルダやプレイリストで「MP4を音楽感覚で聴く」
  • 古いプラグインをそのまま読み込んで“当時の環境”を再現する

まとめ

Winampは単なる音楽プレイヤーではなく「文化」でした。 foobar2000が“優等生”なら、Winampは“遊び心を持ったロックスター”。

2025年現在、古い環境を尊重しつつ最新OSで動くプレイヤーとして復活。 プラグインやスキンを再利用すれば、かつてのワクワクを再び味わえます。