[Hobby] ねんどろいど超入門:歴史・派生ライン・互換性・番号の謎まで

はじめに

一体だけのつもりが、棚が足りなくなる。――それがねんどろいど

『紅殻のパンドラ -GHOST URN-』クラリオンから始まり、『デート・ア・ライブ』四糸乃夜刀神十香へ。喜びと軽い後悔を往復しながら、コレクションは静かに増殖していく。

本稿は GPT-5 と一緒に、ねんどろいどの起源(2006)から派生ライン、そして互換の落とし穴まで、コレクターの実務に役立つ要点を一次情報ベースで総ざらいする“沼の安全ガイド”だ。

ねんどろいどとは何か(公式仕様)

ねんどろいどは、グッドスマイルカンパニー(GSC)が展開する掌サイズ(おおむね約10cm) のデフォルメ可動フィギュア。

表情パーツ(フェイスプレート)や腕・脚・小物を交換して、シーン再現や自由なポージングを楽しめるのが核。

シリーズ自体は2006年に開始

公式の紹介ページでも「手のひらサイズのキュートな“ちび”スタイル」「約10cm」と明確に説明されている。
(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

公式仕様の要点(一次情報で押さえる)

  • サイズ・スケール
    約100mmの“ノンスケール可動フィギュア”。
    実際の各商品ページの仕様欄にも「approximately 100mm in height」と明記される。
    (例:ミクル、リアンノン ほか)
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
  • 可動・交換
    表情プレート/腕脚の差し替え+支柱付き台座でポージングを作るのが基本、というのが公式・商品ページの標準説明。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

  • ラインの規模
    英語圏公式ストアのコレクション解説では**「2,000以上のキャラクター」**というスケール感を示している。
    (Good Smile US)

キーワード:可動・交換・(基本的な)互換
ねんどろの遊びはこの三本柱。ただし**“完全互換”をうたうものではない**点に注意(下記)。

互換と取り扱い(公式サポートの注意書き)

GSCサポートの「Nendoroid取扱ガイドライン」では、カスタマイズ用の頭部/フェイス(特にNendoroid Doll系)について“すべてのねんどろいど製品と互換を保証しない” と明記。

つまり、基本は互換設計でも例外ありという公式スタンスだ。

世代差や固定方式の違いで、“固い/緩い”などの個体差が起こりうるため、パーツ交換時はこの点を理解しておくとトラブルが減る。
(グッドスマイルカンパニーサポート)

ミニ知識:
似たサイズのNendoroid Dollは「頭部サイズはねんどろいどと同じ」だが、布衣装のドールボディ(身長約10cm級) のため全体の背はやや高くなる――という公式説明。
ライン間の“遊び方の違い”を把握するのに役立つ。
(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

参考(百科による補強情報)

百科(更新型の二次情報)でも、「ABS&PVC、約100mm、2006年開始、顔やパーツの交換式」 という骨子は公式の記述と一致している。
一次情報と合わせて理解の確認にどうぞ。
(ウィキペディア)

歴史年表(節目だけ超精密版)

  • 2006年2月:シリーズ始動/#000 ネコアルク
    初売りはワンダーフェスティバル2006での「ねんどろいど ネコアルク」。
    シリーズの“原点”として位置づけられ、箱番号 #000 という特別ナンバーで扱われた個体が確認されている(イベント初出ゆえ特殊番号扱い)。
    一次の網羅資料は乏しいが、Wikipedia が「最初に売られたのはワンフェス2006のネコアルク」と明記し、老舗通販の解説でも「2006 Wonder Festival Product=ねんどろいどの起点」が繰り返し説明される。
    (ウィキペディア)
  • 2006年以降:NENDORON体制へ/企画の祖は小田剛史(Oda-P)
    ねんどろいどは企画・原型・塗装など多数の担当者が並走するため、開発チーム総称「NENDORON」 が用いられるようになる。
    シリーズのオリジナルクリエイター(企画の祖)は小田剛史(Oda-P) とされ、のちに“NENDORON”名義で多人数体制が標準化した経緯が整理されている。
    (ウィキペディア)

  • 2009年:累計販売の大台
    2009年時点でねんどろいど100万体超/ねんどろいど ぷち300万体超を達成。
    シリーズの“裾野の広がり”を示す初期ピークとして重要。
    (ウィキペディア)

  • 2010年:100種突破
    2010年7月時点で100種超に拡大。
    以後、月次での新作発表が恒常化し“コレクション性”が強固になる。
    (ウィキペディア)

  • 2013年5月:#300「初音ミク 2.0」
    ベストセラーのミクが2.0として刷新され、箱デザインやフェイス固定方式の改良など“世代交代”の節目に。
    以降、パーツ交換の扱いやすさが向上していく。
    (ウィキペディア)

  • 2019年(受注):#1000「Snow Miku: Snow Princess Ver.」
    記念すべき**#1000は“雪ミク(Snow Princess Ver.)”。GOODSMILE ONLINE SHOPの商品ページでも2019年の受注案内が残っており、ミレニアム番号をミク系**が飾った事実が確認できる。 (グッドスマイルオンラインショップ)
  • 2022年7月14日(受注開始):#2000「エレン・イェーガー(The Final Season Ver.)」
    公式商品ページの固有ID(10640)に紐づく案内で、#2000の節目タイトルがエレンであることが明示。
    受注は2022/07/14開始、ショップ告知や流通でも#2000表記が踏襲されている。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

まとめ:

#000 ネコアルク → #300 初音ミク2.0 → #1000 雪ミク → #2000 エレン
“番号の節目”は、ねんどろの設計刷新時代の顔が象徴的に刻まれるマイルストーンになっている。

派生ラインと“何がどう違うのか”

ねんどろいどは複数ラインに分岐しており、「どの遊びを強化した設計か」で役割が違う。

公式説明と商品仕様をもとに、“向いている遊び”まで整理しておく。

Nendoroid(ベースライン)

  • 定義
    掌サイズ(約10cm)のデフォルメ可動フィギュア。
    表情プレート/手足・小物の交換でポーズ・場面再現を楽しむ“本流”。
    可動・交換・(基本的な)互換が核。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

  • 仕様の言い回し(公式ストア例)

  • 「height around 10 cm」「interchangeable face plates and accessories」の表現が基本。
    (Good Smile US)

  • 向いている遊び
    ポージング/名場面再現/表情差し替えコメディなど。

備考:
互換は“基本思想”だが完全保証ではない(世代差・個体差あり)。
詳細は互換セクションで扱う。
(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)


Nendoroid Petite(ねんどろいど ぷち)

  • 定義
    **小型(約6.5 cm前後)**のコレクタブル版。 ブラインド/トレーディング前提のセット商品が中心で、可動・交換は簡易化される。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

  • 向いている遊び
    机上に数で並べる楽しみ、シリーズ一括蒐集、編成(作品単位)でのディスプレイ。

  • 注意
    本流ねんどろとパーツ互換の考え方が異なる(サイズが違うため)。
    公式USのコレクション分類でも別枠。
    (Good Smile US)


Nendoroid More(ねんどろいど もあ)

  • 定義
    “もっと楽しむ”ための拡張パーツ系ライン。
    代表例がFace Parts Case(予備フェイスを2枚まで収納でき、そのまま飾れるケース)。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

  • ほかの拡張
    Face Swap(汎用フェイス/イベント・周年記念柄など)や追加台座・小物群。
    撮影・保管・バリエーション出しを後押しする周辺アイテムという位置付け。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

  • 向いている遊び
    表情のストック運用、写真撮影の小道具、収納とディスプレイの両立。

例:Face Parts Case(アメショ/恐竜など多デザイン)。
spare expression parts up to two を収納し、そのまま飾れる」と明記。
(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)


Nendoroid Doll(ねんどろいどどーる)

  • 定義
    頭部はねんどろいど同等サイズボディは“ドール的”に可動布衣装着せ替えに最適化した派生。
    ドール遊び×ねんどろヘッドのハイブリッド。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

  • 公式の説明
    same Nendoroid heads,but alternate doll-like body that is highly articulated and can be dressed up」「既存のねんどろいどヘッド互換でディスプレイ拡張」。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

  • 拡張エコシステム
    カスタム用フェイスドール用アイ(約10 mm**)**を公式が用意(フェイス+10mmアイの組み合わせ前提)。
    (グッドスマイルオンラインショップ)

  • 向いている遊び
    衣装替え/ジオラマ撮影/**“推しを衣装で遊ぶ”**系。

  • 注意
    全高は布衣装ボディ分でやや高く見えることがある(同“掌サイズ”でも雰囲気は別物)。
    ライン間で互換は前提にしつつ完全保証ではない旨がサポートに明記。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)


どのラインを選べばいい?

遊びたいこと おすすめライン 理由
名シーンを再現・表情で遊びたい Nendoroid 可動+表情交換前提。定番。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
作品ごとに数で並べたい Petite 小型トレーディングで編成しやすい。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
表情の保管・撮影小物を整えたい More Face Parts Case/Face Swapなど周辺が充実。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
衣装を着せ替えて撮る・飾る Doll 布衣装×高可動ボディ×10mmアイでドール文脈が強い。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

実務TIPS:
ねんどろ(本流)とDollの“頭部互換”は魅力だが、首・顔の固定方式世代差で“固い/緩い”が出ることがある。まずは商品ページの仕様とサポート注意を確認してから組み合わせよう。
(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

“互換性”の現実(世代差に注意)

結論
基本は互換志向だが、世代差・設計差で“完全互換”ではない
公式は「楽しむためのパーツ交換」を前提に置きつつも、互換は個別設計に依存するため例外を明記している。
(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

公式が明記していること(最低ライン)

  • ねんどろいど=交換前提のシリーズ(表情プレート/アクセサリを入れ替えて遊ぶ設計)。ただし取り扱い指針では、すべての組み合わせの適合を保証しないスタンスが示される。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
  • Nendoroid Dollは「ねんどろいどと同じ首ジョイント(長めの首ジョイント同梱)」で頭部の付け替えが想定される一方、“一部のヘッド/ハンドは非対応の場合あり”互換の但し書きがある。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
  • Doll向けカスタマイズ用フェイスは「ねんどろいどにも使える」が、デザインにより非対応が出る場合があると商品ページに注意書き。=原則OKだが例外ありが公式の立て付け。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

公式は「遊べるよう作っている」と同時に「全件保証はしない」を明文化している、が最低ラインの理解。


実務で語られる“世代差”:おおむね #300 が分水嶺

コミュニティや実店舗FAQの実務知見では、#300 前後でフェイス/首まわりの固定方式が刷新され、旧新ミックスで“固い/緩い、保持力が変わる”といった事例が共有されている(※公式が型式変更点を網羅公開しているわけではないため、ここは実務コンセンサスとして扱う)。(マイフィギュアコレクション)

  • 代表的な説明:pre-300 は首ジョイント形状やフェイス裏の係合が旧式post-300 は「フェイスプレート+独立ネックピース」系に整理混在使用で嵌合が緩い/固い保持が甘いなどが起こりやすい——という指摘。(Chibi Chop Shop)
  • これはDollボディ×ねんどろヘッドでも同様で、基本は合うが“すべて”ではないというユーザー報告と公式注意が一致する。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)

要するに:「互換は思想、完全互換は仕様ではない」。世代差と個体差を前提に組み合わせるのが安全。


具体的にどこで齟齬が出やすい?


実務TIPS(安全に“混ぜる”ための手順)

  1. 仕様と注意書きを読む
    商品ページ・サポートガイドラインの互換注意をまず確認。
    (グッドスマイルカンパニーサポート)

  2. “首軸・フェイス裏の溝”を目視確認
    旧新の組合せ前に、首ジョイントの径/形状フェイス裏の係合をチェック。

  3. 固い→温める
    嵌め込みが固いときはドライヤーを弱風で短時間温めてから装着(自己責任)。
    樹脂ストレスを避ける。

  4. 緩い→保持力調整
    透明マスキング液/薄いテフロンテープでジョイントに厚みを足すと保持が改善(撮影・ディスプレイ向けの簡易策)。

  5. Doll併用は“首長さ”を調整
    衣装・見栄えに合わせて標準/ロング首ジョイントを使い分ける。
    (グッドスマイルカンパニー公式ショップ)


まとめ

一言でいうと、互換は“思想”であり“保証”ではない
だからこそ、確認→微調整のひと手間が“混ぜる楽しさ”を最大化してくれる。

予約・“再販(リリース/リイシュー)”・ボーナスのしくみ

一次受注(プレオーダー)の基本

  • 受注期間が明示される(例:エレン Final Season Ver.2022/07/14–08/24、出荷目安 2023/04)。締切を過ぎると在庫販売に回らずそのロットは終了が基本線。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
  • GSC公式ブログでも「多くの製品は受注生産(made to order)なので、確実に手に入れるには予約が最善」と繰り返し案内される。(カホタンブログ)

まとめ:“ほしい=予約”が鉄則。締切時刻(JST)までに決めるのが安全。


GOODSMILE ONLINE SHOPの予約ボーナス

  • 直販(GOODSMILE ONLINE SHOP)限定で、**表情パーツや小物・スタンド等の“購入ボーナス”**が付くことがある(他店購入には付かない旨も明記)。(カホタンブログ)
  • 作品によりラバーストラップ/手パーツ/台座デザインなどバリエーション。予約ページや告知ブログに**“GOODSMILE ONLINE SHOP Bonus”**として記載される。(カホタンブログ)

実務TIP:特典の有無は販売店ごとに異なる。直販ページの「Bonus」欄を必ず確認。


再販(リイシュー)の考え方

  • 人気アイテムは後年に再受注・再出荷されるケースがある(例:エレン・イェーガー再販アナウンス)。ただしすべてが再販されるわけではないし、特典内容や仕様が同一とは限らない。(Good Smile US)
  • 公式ブログの方針どおり、“確実性”は初回予約>再販待ち。(カホタンブログ)

ナンバリング(箱・台座表記)と“節目”

ナンバリングはコレクション管理の基点。節目番号は話題性が高く、一次受注の競争も上がりがち。


最短チェックリスト(保存版)

  1. 受注期間:締切(JST)時刻をカレンダーに入れる。(グッドスマイルカンパニー公式ショップ)
  2. 直販特典GOODSMILE ONLINE SHOP Bonusの有無・内容を確認。(カホタンブログ)
  3. 再販の見極め:再販実績はあるが保証なし。**“欲しいなら初回で取る”**が基本。(Good Smile US)
  4. 番号記録:購入メモに #XXXX を残す(節目は特に重要)。(グッドスマイルオンラインショップ)

「番号の物語」──#000・#1000・#2000の意味

ねんどろいどの箱番号(Nendoroid #XXXX)は、単なる通し番号以上の「節目の記憶」。ここではシリーズの原風景/象徴/時代性を刻んだ3つの番号だけを、手早く押さえる。

#000:ネコアルク(2006/WF初出)

  • シリーズの起点。イベント初出ゆえの**“0番台”という特別扱いが、後年まで原風景**として語られる。
  • “手のひらサイズ×表情交換”というコンセプトの核がここで定義され、後続の設計思想に直結。

#1000:Snow Miku — Snow Princess Ver.(2019)

  • ミレニアム番号をミクが飾るという“象徴の再確認”。
  • 地域・季節・周年企画を巻き込む“雪ミク”系の文脈が、ねんどろ=コミュニティとともに祝うブランドであることを可視化。

#2000:エレン・イェーガー(The Final Season Ver.)(2022受注/23出荷目安)

  • **TVアニメの“世界的な顔”**が到達点に選ばれる=時代性の反映
  • 予約→待機→到着という受注生産の体験設計も、コレクション文化の一部として定着したことを示す。

コレクター向け・超短メモ

  • 節目は争奪/話題性↑:初回受注で取るのが基本。
  • 番号は記録推奨:購入メモや台座写真に**#XXXX**を残すと後で整理しやすい。
  • 再販は保証なし:特典や細部仕様が変わることもあるため、**“欲しいなら今”**が鉄則。

派生・関連プロダクト早見

ライン ねらい 代表的な要素 ひとこと実務メモ
Nendoroid 本流 約10cm/可動・表情交換・台座 迷ったらまずコレ。表情と小物で無限に遊べる。
Nendoroid Petite 小型トレーディング 約6.5cm前後、ポーズ固定気味、ブラインド箱多め 本流とパーツ互換は基本ナシ(サイズ違い)。並べて映える。
Nendoroid More 拡張・収納・遊び Face Parts Case/Face Swap/台座など 予備フェイス収納と撮影小物が神。特典版の有無も要確認。
Nendoroid Doll ドール化 同頭部×布衣装×高可動ボディ、10mmアイ対応 ねんどろヘッド流用可だが完全互換保証ではない。首長さ・保持力に注意。

メモ:More と Doll は「本流を広げる周辺生態系」。Petite は「別ラインで“数で飾る”」と覚えると整理しやすい。

コレクション実務:保存・撮影・改造のコツ(互換注意ふくむ)

保存(黄変・ベタつき・反りを最小化)

  • 環境:直射日光NG/高温多湿NG。目安は 20±5℃・湿度40–60%
  • UV対策:窓際は退色が早い。UVカットフィルム or カーテンで直射を断つ。
  • 接触材PVCの可塑剤移行を防ぐため、軟質ビニール・印刷物・発泡スチロール長期密着させない。敷物は 不織布・ポリエチレンシートなど惰性の少ない素材に。
  • 収納:密閉ケース+乾燥剤(シリカゲル)。天候で湿度が揺れる部屋は調湿剤を併用。
  • ホコリ:静電で付きやすい。帯電防止ハタキブロワーの順でやさしく。アルコールや溶剤は塗装を傷めるので不可。

関節ケア(保持力の“微調整”)

  • 固いときドライヤー弱風で5–8秒温めてからゆっくり差し込む(自己責任)。無理な角度でねじらない。

  • 緩いとき(可逆で)

    • 透明マスキング液薄くひと塗り→完全乾燥→様子見。
    • 代替:極薄テフロンテープ半巻き→増し締め。
  • やっちゃダメ:瞬間接着剤の厚盛り(割れ・白化の原因)/溶剤系での洗浄。

撮影(すぐキレイに見せる最短セット)

  • 逆光+レフ板で立体感。A4のコピー用紙を窓の光にかぶせるだけで即ディフューズ
  • 背景:A3色上質紙(グレー・パステル)/ドール用背景紙。ハレ物は半光沢が扱いやすい。
  • スタンドNendoroid More の台座/アームで安定&ポーズ自由度UP。
  • スマホ術:等倍〜1.5×で歪みを抑える/AE/AFロックしてブレ低減/連写→良カット採用
  • 後処理:埃だけスポット修正、彩度は上げすぎない(PVCの質感が破綻しやすい)。

改造・パーツ交換(互換の“地雷”を避ける)

  • 事前チェック首ジョイント径・長さ/フェイス裏の溝形状/前髪パーツの干渉を目視。**世代差(#300前後)**混在は保持力低下や干渉が起きやすい。

  • Doll併用:ヘッド互換は“前提”でも完全保証ではない。**首長さ(標準/ロング)**の見た目バランスに注意。

  • 調整の順序

    1. 温める(装着時の応力を下げる)
    2. 当たり面を確認(干渉部位を把握)
    3. 可逆の増し締め(マスキング液 or 極薄テープ)
  • 公式ガイドラインすべての組み合わせ適合は保証しない旨に目を通してから作業。

ミニFAQ(30秒で読める)

  • Q. 黄変が怖い → 直射×高温多湿を避ける/UVカット通気。完全防止は難しいので展示→休ませるローテも有効。
  • Q. ベタつき → 水ぶき+中性洗剤の極薄希釈を綿棒で点置き→すぐ拭き取り→自然乾燥。溶剤は使わない。
  • Q. 自立しない台座+支柱を迷わず使う。角度より重心を意識(頭が重い)。
  • Q. パーツが抜けない → 温めてから真っ直ぐ引く。テコにしない。割れや白化の元。

合言葉は 「温める→確認→可逆で足す」。 これさえ守れば、だいたいのトラブルは“痛みゼロ”で解決できる。

文化と経済圏:なぜここまで広がった?

プロダクト設計 × SNS拡散の相性

  • 掌サイズ+デフォルメ+表情交換写真で映える
  • ポーズと小物で1体からネタが無限増殖。日常小物(マグ、文庫本、食品サンプル)と合わせるだけで“物語”になる。
  • スマホで俯瞰/寄りを切り替えると“等身大の可愛さ”と“ミニチュアの可笑しさ”が両立し、タイムライン滞在時間が自然に伸びる。

版権の広さ=“推し活の物質化”

  • アニメ/ゲーム/漫画だけでなく、VTuber・実写IP・洋画まで横断。
  • 同一作品内でのユニフォーム規格が効く(高さ・台座・顔交換)。棚に並べる快楽がシリーズ横断で成立。
  • 海外流通(英語圏ショップ、イベント出展)が“初回予約”の文化を世界規模に拡張。

二次創作と拡張エコシステム

  • **Nendoroid More(台座・フェイスケース・Face Swap)Nendoroid Doll(衣装・10mmアイ)**が、

    • 撮影文化(背景紙・レフ板・ミニチュア小物)
    • クラフト文化(衣装縫製・アクセサリ自作) を下支え。
  • BOOTH/ハンドメイド系マーケットで衣装・小物の同人流通が生まれ、**“買って終わり”から“作って回す”**へ。

イベントと“節目番号”が作る周波

  • ワンフェス等のイベント、記念号(#1000/#2000)、周年や地域企画(例:雪ミク系)で定期的な注目波が発生。
  • 再販・2.0系復習と新規参入の入口になり、コミュニティが分断されにくい

予約経済と“待つ体験”

  • 予約→数カ月待機→到着という**“時間の所有感”が、レビュー・撮影・改造の発信サイクル**を生む。
  • 直販ボーナス・同梱特典・再販差分が情報共有の動機を作り、記事/動画/SNSスレが自然に積み上がる。

中古市場と“卒業/復帰”の循環

  • 箱文化(ブリスター含む)中古流通の目利き基準を作り、美品志向が一次予約をさらに促進。
  • ライフイベントで縮小→再開するユーザーが番号・節目を手がかりに復帰しやすい。

間口の広さ(年齢・ジェンダー・地域)

  • 可愛い系/カッコいい系/ネタ系を一つの規格で抱え込むため、家族内共有職場デスク展示も受け入れられやすい。
  • 海外圏では写真コミュニティ経由で参入→作品原作へ逆流入する動線も珍しくない。

Key takeaways(超短縮メモ)

  • **設計(映える)×規格(並ぶ)×拡張(遊べる)**が三位一体で文化化。
  • 予約と節目が話題の波を維持、再販・2.0で入口が開き続ける。
  • “買う→撮る→作る→回す”の循環が、ねんどろいどを単なる玩具からコミュニティ経済へ押し上げた。

これから買う人向け・超実務チェックリスト(保存版)

  1. 番号と世代 #300 前後で顔・首の固定方式が変わる。旧×新ミックスは保持力が落ちやすい

  2. 予約特典(直販ボーナス) GOODSMILE ONLINE SHOP限定受注期間内のみが基本。他店は付かないことが多い

  3. 派生の向き不向き 写真×衣装遊び→Doll小物追加→More数で並べる→Petite迷ったら本流Nendoroid

  4. 互換の事前確認 商品画像で首軸径・フェイス裏の溝・前髪の当たりをチェック。固い/緩いは世代差で起こりやすい。

  5. 保管の基本 直射日光×高温多湿はNG。表情パーツは Face Parts Case で分けて収納。


買う前「30秒チェック」

  • 受注締切(JST)と直販特典の有無
  • 番号 #XXXX と世代(#300前後)
  • 使いたい遊び方 → 本流/More/Doll/Petite のどれ?

買った後「30秒セットアップ」

  • 箱から出したら直射の当たらない場所
  • スタンド装着→重心確認(頭が重い)
  • 交換が固い→ドライヤー弱風5–8秒で温めてから装着(無理にねじらない)

合言葉:「締切→番号→互換→保存」。 この順で見るだけで、だいたい事故らない。


参考・出典(主要)

  • 公式・一次
    • What are Nendoroids?(GSC公式):contentReference[oaicite:33]{index=33}/Nendoroid Doll(GSC公式):contentReference[oaicite:34]{index=34}/サポート「Guideline for handling the Nendoroid Series」(互換・カスタムの注意):contentReference[oaicite:35]{index=35}
    • #2000 エレン公式商品ページ(受注期間・“2000.”表記):contentReference[oaicite:36]{index=36}
    • Nendoroid More(Face Parts Case など):contentReference[oaicite:37]{index=37}
  • 二次だが有用
    • シリーズ概要・年表:Wikipedia「Nendoroid」(初出2006/#300ミク2.0など):contentReference[oaicite:38]{index=38}
    • #1000:流通各社商品ページ(Snow Miku Snow Princess Ver.):contentReference[oaicite:39]{index=39}
    • #000 ネコアルク:ファン史料(Wonder Festival 2006/番号事情):contentReference[oaicite:40]{index=40}
    • 互換の実務知見:パーツ分解コミュニティFAQ(旧世代〜新世代の違い):contentReference[oaicite:41]{index=41}

注:Wikipediaは随時更新のため、節目の数値は公式商品ページやGSCの固定ページでクロスチェック済み(特に#1000/#2000)。#000はイベント初出ゆえ**“番号の例外扱い”**が史料でも確認できる。