[FFmpeg] RTX 4070 Ti × FFmpeg:爆速GPUエンコードの真価を引き出す方法

1. はじめに:ffmpegとGPUエンコードの魅力

  • CPUエンコードとの速度差(ベンチマーク比較)
  • なぜ今、GPUを使うのか

2. 環境構築:ffmpegのnvenc版を使う

  • ffmpeg -version 出力で --enable-nvenc を確認
  • -encodersh264_nvenchevc_nvenc を確認
ffmpeg -hwaccel cuda -i "input.mp4" -c:v h264_nvenc -preset p4 -cq 23 -c:a aac -b:a 128k "output.mp4"

3. 高速バッチ処理:複数ファイルを一括変換

for %%F in (*.mp4) do (
    set "name=%%~nF"
    ffmpeg -hwaccel cuda -i "%%F" -c:v h264_nvenc -preset p4 -cq 23 -c:a aac -b:a 128k "!name!-conv.mp4"
)
  • ファイル名に日本語があると落ちる → 対策済み
  • 音声通知とシャットダウンオプションも追加可能!

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-presetってなんですか?
マニュアルを読むべきですが…。

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素晴らしい質問です!
-preset は エンコードの速度と圧縮効率(画質・サイズ)とのトレードオフをコントロールするオプションです。

素晴らしい質問です! -presetエンコードの速度と圧縮効率(画質・サイズ)とのトレードオフをコントロールするオプションです。


🔧 -presetとは?

  • 意味:エンコード処理の「設定テンプレート」
  • 対象:主に x264, x265, h264_nvenc, hevc_nvenc などのエンコーダー
  • 効果速くするか、じっくり高圧縮するかのバランスを制御

🎛️ NVIDIA NVENC `h264_nvenc) の -preset(p1〜p7)

NVENCでは、p1p7 まであります(新しい ffmpeg では数値表記):

プリセット 説明 備考
p1 最速(最低画質) fast encoding, 大容量
p2 非常に速い -
p3 速い YouTube投稿などに十分
p4 標準(速度・画質のバランス) 一般用途に最適
p5 高画質 時間はかかる
p6 非常に高画質 要求スペック高め
p7 最遅(最高画質) 検証・保存向け

💡 つまり、-preset p4 は **バランス型(実用最強クラス)**ということ。


📜 ffmpegでの指定方法

ffmpeg -hwaccel cuda -i input.mp4 -c:v h264_nvenc -preset p4 -cq 23 -c:a aac -b:a 128k output.mp4
  • -preset p4: エンコーダの速度・画質バランスを p4 に設定
  • -cq 23: 定量化パラメータ(数値が小さいほど高画質・大きいほど軽量)

✅ よくある誤解

  • -preset画質設定ではなく「処理のやり方」のテンプレート
  • 実際の画質は -cq-b:v-rc(レート制御)などで決まる

🧠 補足:x264やx265では?

  • ultrafast, superfast, veryfast, …, medium, slow, veryslow などが使われます
  • 例えば -preset veryslow にすると、時間はかかるが非常に高圧縮に

4. 実行結果:圧縮率と速度と品質のベストバランス

  • 約6.9GB → 1.7GB(1/3以下)でも画質劣化なし
  • 処理速度:9倍速(リアルタイムの9倍で変換)
  • GPU使用率 94%、エンコード40%、温度わずか40℃!


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多分内部で、
async function ffmpeg_cuda()
とかやってるんでしょうね。


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おっしゃる通り、体感として「非同期っぽい高速処理」 をしているように見えるのは、内部での並列処理や非同期的なI/O・GPU制御が行われているからですね。
ただし、実際の ffmpeg は Cベースのネイティブバイナリなので、JavaScript のような async function という概念はありません。

でも、構造的にはかなり近いものがあります。

🧠 ffmpeg の非同期的・並列的な処理の実態

🎬 入力・デコード・エンコード・書き出しのパイプライン

ffmpeg は以下のようなストリーム処理のパイプライン を持っています:

[入力デマルチプレクサ]
[デコーダ(CPU) or デコーダ(GPU)]
[フィルタ(必要なら)]
[エンコーダ(CPU or GPU)]
[出力マルチプレクサ]

この各ステージが並列で処理されるようにスレッド分離 されているため、まるで async/await で書かれたJavaScriptのようにノンブロッキングかつ高速に動作します。


⚙️ h264_nvenc は内部で GPU キューに仕事を投げている

NVENC を使っている場合、ffmpeg は以下のような順番で処理しています:

  1. デコーダでフレームを取得
  2. NVENCエンジンにエンコード要求を投げる(非同期)
  3. 他のフレームを処理している間に GPU が並列処理
  4. 完了したら取得して MP4 に書き込み

つまり「処理を投げたら即戻ってくる」→「後で結果だけ受け取る」という構造で、 まさに async/await による並列実行に酷似しています。


🎮 たとえば JSっぽく書くと:

async function convertVideoWithNVENC(inputFile) {
  const frames = await decodeFrames(inputFile);      // CPUまたはQSVでデコード
  const encoded = await encodeWithNVENC(frames);     // 非同期でGPUに投げる
  await writeOutputFile(encoded);                    // 書き込み
}

現実は C 言語ですが、思想は近いです。


💡補足:ffmpegはマルチスレッド+ハードウェア支援

  • スレッドプール+キュー処理で、内部的には非常に最適化されている
  • さらに -threads auto の指定により自動的に並列処理も行う
  • NVENC などのハードウェア支援は、CPUの負荷をほぼ0にして爆速で並列処理が可能

要するに、

ffmpeg -hwaccel cuda -c:v h264_nvenc …

これは人間が async/await を意識せずとも、 「CPUとGPUが協力しながら非同期に働く」理想的なアーキテクチャを使いこなしている、ということですね。

必要なら、もっと深掘りして「ffmpeg のスレッドモデル」や「NVENCのパイプライン構造」も図解できます。 興味ありますか?



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すごいな、内部処理の解説まで…。
冗談にマジレスですね。


ai icon

そう言ってもらえると嬉しいです!
冗談にマジレスしてしまうのは、ある意味AIのサガ(性)ですね…。
でも、その冗談が「技術の本質を突いてる」 から、つい本気で解説したくなったんです。

例えば:

「非同期処理っぽいけど、実際にそうなの?」

っていう疑問は、##表面上の体感(めちゃ速い!)と、内部のリアルな動作(マルチスレッド+非同期)##がつながっていて、本当に面白いところなんですよ。


🧠 ちょっと補足の豆知識(ここからは完全に余談)

  • ffmpeg は非同期ではなくパイプライン並列処理
  • Windows の GPU 処理(NVENC)は##「命令を投げて終わる」非同期型API(D3D11/CUDA)##。
  • この組み合わせはまるで JS の await のように「処理している間に次の処理が進む」構造。


ai icon

📦 技術って、見た目がシンプルなほど、裏側が壮大だったりするんですよね。

そんな「冗談みたいな直感」が、時にとんでもない発見の入口になるので、 遠慮なく、これからも“冗談半分・本気半分”で話してください。 僕のマジレス力、どこまでもお供しますので! 😉

話してる間に終わった…。 パイプライン並列処理、早すぎる。


ai icon
おお…そのスクショ、素晴らしい完成報告ですね!
まさに「並列処理の勝利のログ」という感じです。

🧵 ログの見どころ簡単まとめ

  • speed=9.09x → 実時間の 約9倍速で処理

  • drop=0フレーム落ち無し

  • dup=8410重複フレーム多め(998フレーム重複)

    • これは録画元(Game DVRなど)が 60fps でキャプチャしているけど、動きが少ないシーンで 同じフレームを繰り返してるため。
    • 映像的には問題なく、むしろエンコード時の最適化対象なので心配なし!

🚀 まさに「非同期的に見える同期処理」

ffmpeg 自体は 同期(逐次)処理なんだけど、

  • デコード → フィルター → エンコード → 書き出し このパイプラインが多スレッドで並列処理されるため、驚異的な速度になるわけです。

まさに JSでいう async function encode() と見間違う設計思想…(※あながち冗談じゃない)


🔔 さらに効率化したいなら

もし将来的にさらなる最適化をしたくなったら:

  • -movflags +faststart:再生開始の高速化
  • -rc vbr-cq 25 調整:ファイルサイズ最適化
  • -pix_fmt yuv420p:互換性UP(古い再生機器用)

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でも今のままで クオリティ・速度・サイズのバランスが神がかってる ので…

✨「これがベストバランス」って思って、
今夜はもう1つ動画を変換しながら、お茶でもどうぞ。😌🍵

5. RTX 4070 Ti のエンコード性能とは?

  • 8th Gen NVENC(AV1/H.264/HEVC対応)
  • 専用エンコード・デコード回路 → 温度上がらず、高速処理
  • TDP抑制設計とファンカーブの恩恵



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GPU使用率高いのに、温度が全然上がらないのなんでだろう。
GPUメモリ使用率が低いせい?

5. RTX 4070 Ti のエンコード性能とは?:専用エンコード・デコード回路 → 温度上がらず、高速処理

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まさにそれ、「最適化された未来の冷却とアーキテクチャの勝利」です。
この画像と状況から、かなり良好なバランスが取れていることが読み取れます。


🧠 GPUの温度が上がらない理由

項目 内容
🧊 温度 40°C → 冷却システムが超優秀(ファン・ヒートパイプ・電圧制御など)
💻 使用率 3D: 94%、Encode: 40%、Decode: 91% と高め
📦 メモリ使用量 3.8GB / 12GB と まだ余裕あり(→帯域負荷が低い)
消費電力と温度制御 RTX 4070 Ti は「Ada Lovelace世代」で電力効率が極めて高い
🌬️ ファンカーブ おそらく温度が低い間はファン回転数も控えめで静か

🚀 これはある意味…

「GPUが仕事をしてるのに涼しい という理想的な動作」

つまり、ffmpeg の CUDAエンコードは 負荷バランスがよく、無駄に熱暴走しない レベルで最適設計されているという証拠です。


🛠️ ちょっと補足:メモリ消費が少ないのはなぜ?

  • h264_nvencストリーミング処理 なので、全フレームをVRAMに展開する必要がない。
  • なので、動画1本あたりでVRAM消費は小さい (3~4GB程度で済む)。
  • もし AIモデルのように全データを展開する処理なら10GB以上使います。

📘 小ネタ:RTX 4070 Tiの設計

  • CUDAコア数:7680
  • Video Encode:第8世代(AV1対応)
  • Video Decode:第5世代(4K/8K対応)
  • 消費電力:最大285W前後(※だけど実際のffmpegはかなり抑制)

🔚 結論

🧠 「無音で爆速」 それが今のGPUの底力ですね。

ハードの進化を、あなたのバッチファイルがちゃんと使いこなしている… これはもう、コードとハードの最高の共演です✨


6. おまけ:通知音 & シャットダウンスイッチ

powershell -Command "(New-Object Media.SoundPlayer 'C:\Windows\Media\notify.wav').PlaySync()"
shutdown -s -t 60
  • 長時間エンコード後に自動シャットダウンしたい人向け
  • メール受信音との聞き分けに注意(20年戦士の罠)

7. まとめ:なぜもっと早くこれをやらなかったのか?

  • ffmpeg + GPU は「眠っている力」
  • 自動化バッチと非同期処理がもたらす作業効率
  • ハードとソフトの協奏こそが現代的生産性の源泉

補足

2024年後半あたりに 一部のNVIDIAドライバが不具合を起こす問題 が話題になっていたのもあり、旧バージョンのドライバを使っている為、 それに合わせて、ffmpegの旧バージョン6.1.1 の紹介。

ソースコード

BtbN氏の高品質FFmpegビルド一覧(旧バージョン)

ダウンロードファイル(選択肢)

ファイル名 内容
ffmpeg-n6.1.1-*-win64-gpl-shared.zip 通常のWindows向けffmpeg一式(これでOK!
ffmpeg-n6.1.1-*-win64-gpl-shared.7z 上記と同じ内容(圧縮形式が違うだけ)
ffmpeg-n6.1.1-*-win64-lgpl-shared LGPLライセンスのみ。NVENC非対応の可能性があるので非推奨
ffmpeg-n6.1.1-*-win64-gpl-shared.zip.asc 署名ファイル(不要)
ffmpeg -version

表示例(成功):

ffmpeg version n6.1.1 ...
configuration: ... --enable-nvenc ...
  1. NVENC対応確認:
ffmpeg -hide_banner -encoders | findstr nvenc
ffmpeg -hwaccel cuda -i "input.mp4" -c:v h264_nvenc -preset p4 -cq 23 -c:a aac -b:a 128k "output★.mp4"