![[Computer] なぜ2025年にWindows 7が再浮上したのか](https://humanxai.info/images/uploads/computer-win7-is-back.webp)
1. 導入 ─ 終わったはずのOSが再び
2025年10月、アクセス解析サイト StatCounter のレポートで、
Windows 7 のシェアが 0.88% → 9.61% に急上昇という異常値が報じられた。
サポート終了から5年以上が経過している旧OSが、なぜ今さら浮上したのか。
報道元は海外のIT系メディア数社。
Windows 11の不具合が続く中でのこの数字は、象徴的でもある。
見つかる報道・主張
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Windows Central は、2025年10月時点で Windows 7 の使用率が 9.61% に急増した、というデータを紹介してる。
([Windows Central][1])Windows 7 marketshare skyrocketed last month as users refuse to move to Windows 11 — Microsoft should be worried
StatCounter reports that Windows 7 has gained almost 10% market share in the last month, just as Windows 10 support is coming to an end. But it's probably just an anomaly.
https://www.windowscentral.com/microsoft/windows-11/windows-7-usage-skyrockets-as-users-refuse-to-upgrade-to-windows-11-in-wake-of-windows-10-end-of-support?utm_source=chatgpt.com -
TechRadar なども、Windows 7 の市場シェアが 0.88% → 9.61% と、10倍近く跳ねたという報道をしてる。
([TechRadar][2])Windows 11 loses momentum again in latest market share figures, while Windows 7 unexpectedly skyrockets
Statcounter figures show the old OS enjoying a surprise resurgence in Asia
https://www.techradar.com/pro/windows-7-market-share-jumps-by-10x-as-windows-10-eol-deadline-looms-and-windows-11-usage-drops-in-september-spelling-disaster-for-microsofts-campaign-to-get-people-upgrading?utm_source=chatgpt.com -
TweakTown も同様に、グローバルな Windows 7 利用率が「9.6%前後」に達したという統計を紹介。
([TweakTown][3])Windows 7 market share skyrockets as Windows 11 market share barely moves
説Windows 7 market share skyrockets as Windows 11 market share barely moves
https://www.tweaktown.com/news/108006/windows-7-market-share-skyrockets-as-windows-11-market-share-barely-moves/index.html?utm_source=chatgpt.com
これらはすべて、「StatCounter の OS 使用率データ」に基づくもの。
2. 一次情報の検証
まず確認しておきたいのは、このデータが 実利用率ではなく「アクセス解析」 に基づいている点だ。
StatCounterはウェブサイトのアクセスログに含まれる User-Agent 情報からOSを判定している。
つまり、
- ボットやクローラー
- 旧ブラウザのUAを偽装したシステム
- 改造版Windows(Ghost Win7など) も、すべて「Windows 7」としてカウントされる。
別のソースでは上昇を確認できず、誤検出説 を唱える報道も出ている。
数値の“跳ね”自体は事実としても、実態は慎重に見る必要がある。
3. 可能性① ─ アジア圏の特殊事情
国別データを見ると、この上昇の多くが中国・インド・インドネシアなどに集中している。
中国では依然としてWindows 7ベースのカスタムOSが流通し、
産業機器や教育用端末に広く使われている。
そのため、アクセス元が一気に増えると統計上の比率が大きく変動する。
4. 可能性② ─ Windows 11への不満と回帰
Windows 11は2025年現在でも、
- アカウント必須化
- UI変更
- アップデートの不安定化
などへの不満が根強い。
「慣れた環境に戻したい」という心理や、ハード要件を満たせないPCで
旧OSを再利用する動きが小規模ながら続いている。
ただし、Windows 7への“ロールバック”は技術的に難しく、
主流はWindows 10への留まり。
したがって、これも統計的には限定的な影響と考えられる。
5. 可能性③ ─ 検出ノイズ・Botトラフィック
2025年9〜10月にかけて、中国圏から旧User-Agentを使う検索ボットの増加が観測されている。
この波がStatCounterの解析を歪めた可能性が高い。
アクセス解析では、こうしたノイズが数パーセント単位の誤差を生むことがある。
6. 文化的背景 ─ “安定の象徴”としてのWin7
興味深いのは、数字の真偽を越えて、 多くの人が「やっぱり7が好き」と反応した点だ。
Windows 7はUIの完成度と軽快さで記憶され、 今なお“最後の純粋なWindows”と評されることがある。 進化の代償として失われた「安定感」や「自由度」への郷愁が、 こうした再注目を呼び起こしているのかもしれない。
7. 結論 ─ 数字の揺らぎと、人の心の揺らぎ
StatCounterの統計は確かに異常値だが、 そこに映るのは単なる誤差ではなく、 新しさへの疲れと安定への回帰という現代ユーザー心理の反射かもしれない。
「アップデートを信じるか、過去を守るか」── その葛藤は、いまやひとつの文化現象になっている。
Sources: StatCounter Global Stats, Windows Central, TechRadar, TweakTown, WindowsLatest
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