![[パソコン] OCCTでPCの安定性をチェックする:インストールからVRAMテストまで解説](https://humanxai.info/images/uploads/computer-occt.webp)
はじめに
先日の記事で、クラッシュ問題は解決したのですが、グラフィックボードのメモリチェックできるアプリがあるようなので、インストールと動作チェックしてみたので、メモを兼ねて記事にしてみます。
![[パソコン] 原因不明のクラッシュから回復: GPU&Thunderbolt4取り外しとメモリ検査](https://humanxai.info/images/uploads/computer-4070ti.webp)
[パソコン] 原因不明のクラッシュから回復: GPU&Thunderbolt4取り外しとメモリ検査
突如クラッシュしたデスクトップPCのトラブルを、GPU・Thunderbolt4カードの取り外しと内部清掃、メモリチェックを通じて原因を切り分けた記録です。トラブルの予兆、復旧までの手順、注意点を丁寧に振り返ります。自作PCユーザーやThunderbolt環境 …
https://humanxai.info/posts/computer-4070ti/1. OCCTとは?
OCCT(OverClock Checking Tool) は、フランスの開発チームによって作られている ハードウェア診断・監視ツール です。
名前の通りもともとは「オーバークロック設定が安定しているか」を確認するためのツールでした。
しかし現在では機能が大幅に拡張され、
- CPU、GPU、メモリ、電源ユニットのストレステスト
- 温度・電圧・消費電力のリアルタイム監視
- VRAM(グラフィックメモリ)のエラーチェック
といった 一般ユーザーでも役立つ「不調診断ツール」 として広く使われています。
特に便利なのは、負荷テスト中にエラーがあれば即座に検出 してくれる点。ハードウェアの不具合や、電源不足・冷却不足といった問題を短時間で切り分けできます。
また、個人利用であれば 無料版(OCCT Personal Edition) で十分です。有料版との違いは商用利用や長期のレポート出力などで、家庭での診断や検証用途には不要です。
2. OCCTのインストール方法
公式サイトにアクセス

タイトル未取得
説明なし
https://www.ocbase.com/. 「Download」から Personal Edition(無料版) を選択。
- 個人利用ならこれで十分です。
インストール手順
-
ダウンロードしたインストーラ(OCCT.exe)を実行。
-
画面の指示に従って「次へ」を押すだけで完了します。
- 特別な設定は不要。デフォルトでOKです。
-
インストール後、デスクトップまたはスタートメニューから起動可能。
起動時の注意
- 初回起動時に 管理者権限 を求められる場合があります。ハードウェア監視に必要なので許可してください。
- 言語は標準で 英語表示 ですが、アイコン中心のUIなので直感的に操作できます。
3. 基本画面と機能の紹介
OCCTを起動すると、左側に大きなメニュー、右側にモニタリングやテスト設定が表示されます。 直感的に操作できるので、まずは全体像を押さえておきましょう。

左メニュー(テストの種類)
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Stability Test 総合的なストレステストを一発で実行。PC全体の安定性をざっくり確認したい時に便利。
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CPU + RAM CPUとメインメモリに負荷をかけて検証。オーバークロック時や突然のフリーズ原因切り分けに有効。
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CPU CPU単体を集中的にテスト。温度上昇やサーマルスロットリングを確認できる。
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Linpack もっとも過酷なCPUストレステスト。高発熱なので温度チェック用として短時間の実行推奨。
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Memory メインメモリのエラーチェック。MemTest86のような役割で、不安定動作の切り分けに。
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3D Adaptive GPUに高負荷をかけるテスト。ゲーム中やレンダリング中に落ちる場合に有効。
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VRAM グラフィックボードのメモリ(VRAM)をチェック。表示の乱れやフリーズの原因調査に最適。
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Power CPUとGPUに同時に負荷をかけ、電源ユニット(PSU)の安定性を確認する。電源不足の切り分けに。
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Combined システム全体に総合負荷。実運用に近いテスト。
右画面(モニタリング)
- CPU/GPU温度、消費電力、クロック数、使用率 をリアルタイムで表示。
- 温度や電圧のグラフが流れるので、異常が一目で分かる。
テストの種類と使い分け
- CPU:計算負荷をかけて発熱やクロック落ちを確認
- Memory:システムRAMに誤りが出ないか確認(MemTest類似)
- VRAM:GPUのビデオメモリに誤りが出ないか確認(今回実施)
- 3D Adaptive:GPUに3D負荷(ゲームプレイ相当)をかけて安定性確認
- Power:CPU+GPU同時フルロード(電源ユニットの限界をチェックできる)
4. 使い方(例:VRAMテスト)
-
左メニューで「VRAM」を選択
-
「Memory」使用率を指定(推奨 80%〜90%)
- デフォルトでは「80%」になっている。
- GPUのVRAMのうち、どれだけを検証に使うかを指定できる。
- 特に理由がなければ 80% のままでOK(フルで回すとOSやアプリが使う分が足りなくなる場合がある)。

- テスト開始
- 左下の 「START」ボタン を押すとテストが始まる。 -進行中は「No errors detected」と表示され、異常があればその場でエラー数がカウントされる。
- 同時に右側にGPU温度や電力がリアルタイム表示される。


- テスト時間
- デフォルトは「1h 00min(1時間)」
- 基本は 30分以上エラーが出なければ概ね正常 と判断できる。
- 念のためフル1時間完走させると安心。
- 結果の確認
- 正常 → 「No errors detected」と表示される。
- 異常 → エラー数が赤字で表示される。
- エラーが多発する場合は、GPUのVRAM故障・接触不良・OC設定不安定が疑われる。

5. その他の便利機能
OCCTはストレステストだけでなく、日常のハードウェア監視ツールとしても役立ちます。
🔹 リアルタイムモニタリング
- CPU、GPU、メモリ、マザーボードセンサーの情報を一覧表示。
- 温度、クロック、消費電力、ファン回転数などがグラフで確認できる。
- フリーズやクラッシュの直前の挙動を把握するのに有効。
🔹 レポート出力
- テスト結果やモニタリングログを CSVやグラフ付きで保存 できる。
- 長期的に「どの温度で不安定になるか」を記録しておける。
- 不具合の再現性が低い場合、証拠データとして残しておくとトラブルシューティングが進めやすい。
🔹 電源チェック(Power Test)
- CPUとGPUを同時に高負荷状態にするテスト。
- 電源ユニット(PSU)の限界や、供給が不安定な時にフリーズしやすいかどうかを確認できる。
- 「高負荷時だけ落ちる」「ゲーム中だけ止まる」などの症状切り分けに便利。
🔹 システム情報の確認
- CPUのモデル名やスレッド数、GPUの型番とVRAM容量などを一覧表示。
- ドライバやOSのバージョン情報も簡単にチェック可能。
6. 判定の目安と注意点
OCCTのテストはとても強力ですが、結果の見方や使い方を間違えると判断を誤ることがあります。 ここではチェックの基準と注意点を整理します。
✅ 判定の目安
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No errors detected → テスト中にエラーが1件も出なければ、基本的にそのパーツは正常。
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数分でエラーが出る → ハード故障やオーバークロック設定の不安定が濃厚。特にVRAMテストで出る場合はグラボのメモリチップ不良が疑われる。
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長時間(1時間以上)で稀にエラー → 軽度の接触不良、熱による誤動作、または電源供給の揺らぎが考えられる。
⚠ 注意点
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テスト中の温度上昇に注意
- 夏場や排熱が悪い環境では、CPUやGPUが80〜90℃に達することもある。
- 温度が高すぎる場合は無理に続けず中断する。
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完走しても不具合がゼロ保証ではない
- 稀に「実運用でしか起きない不具合」が存在する。
- 例:アイドル時のフリーズ、特定アプリ使用時のみのクラッシュ。
-
電源やマザーボードの不具合は見抜きにくい
- VRAMやCPUが正常でも、PSUやマザーボードのコンデンサ劣化でフリーズすることがある。
- その場合は「Power Test」や長時間のCombinedテストを併用。
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他の診断と組み合わせるのがベスト
- メモリはMemTest86、ストレージはCrystalDiskInfo、システムファイルは
sfc /scannow
など。 - OCCT単独ではなく、複数のツールでクロスチェックすると信頼性が高まる。
- メモリはMemTest86、ストレージはCrystalDiskInfo、システムファイルは
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